離婚の条件の決め方
協議離婚する場合には、夫婦で話し合って離婚の条件を決める必要があります。
ここでは、協議離婚で取り決めするべき条件と、どのような形で決めればよいのかを説明します。
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協議離婚で決めるべき事項
協議離婚する際に決めることは、主に次の6つです。
- 親権
- 養育費
- 面会交流
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
では、それぞれについて説明します。
親権
未成年の子がいる場合には、父親と母親のどちらが親権者になるかを決めます。
上記6つのうち、親権だけは離婚届に記入しなければならないため、決めずに離婚することはできません。
子どもが複数いる場合、親権者は一人一人決めます。
養育費
一般には、月額いくらという形で決めます。
ボーナス月に増額したり、年齢が上がったときに増額する旨取り決めしてもかまいません。
成人年齢は18歳になりましたが、実際には大学進学などで22歳まで自立できない子どもが多いはずです。
成人していても未成熟子であれば養育費を支払う必要はあります。
進学する可能性が高い場合、基本的には「22歳の3月まで」と決めておいて、「それまでに就職した場合にはそのときまで」という条件を付けるのがおすすめです。
毎月の支払日や支払方法も決めておきます。
振込で支払うのが一般的ですが、その場合には振込手数料をどちらが負担するかも決めておきましょう。
養育費の金額を決める上では、家庭裁判所の「養育費算定表」が参考になります。
ただし、必ず算定表どおりに決めないといけないわけではありません。
家庭の状況やお子さんの事情によって、金額は柔軟に設定した方がよいでしょう。
なお、算定表の金額には、私立高校の入学金や授業料、大学の進学費用などは含まれていません。
進学費用は毎月の生活費とは別に取り決めするのがおすすめです。
面会交流
子どもが幼い場合や、父親と母親の連絡がうまくいきそうにない場合には、回数や方法などをを決めておいた方がよいでしょう。
ただ、あまり細かく決め過ぎると、子どもの都合で面会できなかった場合に、かえって争いのタネになってしまいます。
とりあえずの取り決めは必要ですが、できるだけ柔軟な形で対応することも大切です。
直接の面会以外に、子どもの学校行事への参加についても決めておいた方がよいでしょう。
「参観日や運動会の予定を教える」「学校行事に参加する際には事前に連絡をする」などあらかじめ決めておくと、トラブルが少なくなります。
財産分与
婚姻中に築いた財産は夫婦が半分ずつもらえるのが原則です。
ただし、必ずしも原則どおりにしなくてもかまいませんので、お互いが納得する分け方をしましょう。
現金の受け渡しや不動産の名義変更をする場合には、税金の問題もあるため、離婚協議書を作成しておくことが大切です。
慰謝料
慰謝料は必ず発生するものではありません。
一方の浮気が原因で離婚する場合には慰謝料を払うのが一般的です。
明確な離婚原因がなくても、慰謝料の取り決めをしてもかまいません。
たとえば、妻が専業主婦で収入がないのに夫側から離婚を要求する場合、妻に対してある程度の慰謝料を払って了承を得るようなパターンはよくあります。
年金分割
年金分割をすれば、婚姻期間中に夫婦双方が払った厚生年金保険料を合算し、平等に分けることができます。
「3号分割」と「合意分割」があり、婚姻期間や厚生年金の加入状況によってどちらを選べるかが変わってきます。
合意分割では夫婦で話し合って分割割合を決められますが、50%ずつに分けるのが一般的です。
なお、年金分割は夫婦の財産を分ける手続きではなく、国に対して請求するものです。
夫婦間で話し合うだけでは何の効力もありませんので、年金事務所に行って定められた手続きをする必要があります。
離婚条件を決めたら書いておく
離婚条件を決めたら、離婚協議書を作成するのがおすすめです。
話し合いをしてから離婚協議書ができるまで時間差があるので、話し合ったことを忘れないように、覚書を作っておきましょう。
「協議離婚条件確認書」を以下からダウンロードできます。
条件をメモしておくのに活用してください。
ゆらこ事務所にご相談に来られるときにも、持参していただけるとスムーズです。